確率論。キンコン西野亮廣がコンビ結成時に、仕掛けた戦略

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なぜ、優勝する確率が10%から50%に上ったのか? 西野さんが『NSC』養成所在学中に『NHK上方お笑いコンクール』で大賞を取った時の戦略の話をブログでされていました。その話の中で10組が予選を勝ち上がって、この時点で優勝する確率は10組なので10%なのに、ある戦略で優勝する確率を50%に上げたというお話です。ご存知の方も多いと思われますが、この話を妻にしたところ「理解できない」と言うので分かりやすい例え話を考えてみた。

確率論。キンコン西野亮廣がコンビ結成時に、仕掛けた戦略

この話を知らない人もいるかもしれないのでザックリ話すと、この頃のお笑いはダウンタウンさんの影響で、ボケの発想で勝負するいわゆるボケ数が少ないスローテンポなお笑いで、ドカンと笑いを取る漫才が主流でみんなそういう芸風だった。キングコングは駆け出しで、10年先輩もいるみんなと同じ漫才をしたのでは、到底勝ち目がないので違う戦略をとった。

どういう戦略を取ったかというと、ドカンと笑いを取りに行くのではなく、アップテンポで動きのあり、ボケ数を多くして笑いを最後までたくさん取っていくという、他の組とは違うお笑いで勝負しに行くという戦略。

実はここで思ったことがある。審査員は予選中に多いボケ数でそこそこ笑いを取っていれば、漫才を比較する相手がいなかったので落とすことができなかったのではないかということだ。比較する相手がなく、そこそこお客さんの笑いをとっていたら落とせないのが真理だ。西野さんはそこまで読んでいたのではないだろうか。案の定10組の中の1組として予選を勝ち上がった。

ここで先程の確率の話になる。漫才の手法を考えなければ、優勝する確率は10組いるので10%だ。これが妻の目線だ。でもどうだろう。審査員目線で考えたら50%になるのである。イメージさせるのには日常生活の例がいるのでラーメンの話をすることにする。

仕掛けた戦略を、ラーメン屋で例えてみるとわかりやすい

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じゃあ、ある街を旅行していて「お昼はラーメンでも食べようか」となったとしよう。早速調べてみると、この街には10軒のラーメン屋さんがあり、でも専門店ばかりだよと。豚骨醤油ラーメン、昔ながらの醤油ラーメン、鳥ガラ醤油ラーメン、魚粉醤油ラーメンなど醤油系のラーメン屋さんが9軒、味噌系ラーメン屋さんが1軒。となるとここで「どうする? 味噌系にする? それとも醤油系にする?」と2択になる。確率はというと50%。

ここでやっと審査員目線になり、納得される。こういうことをハタチくらいから考えて実戦しているのがすごい。もちろん、勝つための戦略だしお二人にとっては不本意かもしれない。自分たちが目指しているお笑いではなかったのかもしれないが、もっと先を目指すための1つのステップにしか過ぎない。

この戦略は何にでも置き換えられる

これは何にでも応用できるのではないだろうか? ゴールは同じでも、みんながやらない方法を思いついたら、その時点で誰もやってないわけだからゴールに行ける確率は50%であることは間違いない。誰かの目線で考えるとか、先の手数を読むなど学校では教えてくれない。オセロや将棋や囲碁などのゲームで養われる。西野さんもオセロが得意のようだし、子供の頃からお金についても勉強した方が良いと言っている。

もし小学生くらいのお子さんがいるのなら、学校で教えてくれないお金のことや、選挙の大切さや、先を読む力を教えて上げた方が良いのでは? こう思うのは私だけだろうか。ミヒャエルエンデが書いた「モモ」という本がある。これはお金の話(地域通貨)について書いてある。結構、サロンの中でのことに似ているなぁと思うことがある。ご興味を持った方は、ぜひ読んでみてください。

「モモ」ミヒャエルエンデ著/岩波少年文庫

「新・魔法のコンパス」西野亮廣著/角川文庫

西野亮廣エンタメ研究所 https://salon.jp/nishino

 

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Posted by hiro